民生由来の漂着ごみの指標としてのライターの特異性
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概要
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鳥取県の複数の砂浜で2004年から漂着ライターを調査し,印刷文字から総数27,968個の27%から排出由来地域を同定した。日本,朝鮮半島,中国・台湾由来ライターの個数比は約6:11:10で,同時調査のペットボトルでは約6:2:1であった。この著しい相違は日本に比べて印刷文字入りライターの消費率が高いためであり,由来地域別漂着量の比較は文字入りライターの消費率の近い地域に限ることが重要である。その結果,韓国の日本海側に比べて黄海側からの日本海への流入が少なく,日本海に流入できる日本の南西限界が長崎県付近である事が分かった。また鳥取由来ライターを県の東部,中部,西部の3地域由来に分けると, 67-88%が同じ地域内の調査海浜に漂着していた。この結果は,河口から流出したライターが直線的な海岸地形でも,沿岸域にとどまる傾向の強いことを示す。この現象とライターの詳細地情報から,狭い地域からのごみ排出量の比較や,ごみ流出防止策の実効性を評価することが可能である。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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