XRDおよびXANES法によるアスベスト常温分解生成物の同定と分解機構の研究
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概要
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多硫化カルシウム溶液をアスベスト建材に噴霧すると、アスベストの飛散を検出限界(0.4f/L)まで抑えることができた。更に、飛散処理したアスベスト建材をロータリーキルン内で多硫化カルシウム溶液と一緒にボールミルで処理すると(回転数、45回/min)、アスベストの含有量は20時間の攪拌でアスベスト繊維の含有量は0.1%以下にまで減少した。アスベストの分解は位相差顕微鏡(分散媒法)で確認し、アスベスト分解生成物を粉末X線回折(XRD)およびX線吸収端近傍構造(XANES)法で同定した。アスベストのピークは完全に消失し、処理剤に由来する炭酸カルシウム、硫黄、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウムが含まれていた。多硫化カルシウムがアスベストの結晶層間にインターカレートし、徐々に空気酸化を受けてアスベスト構造を破壊していると考えられる。本法は省エネルギー型の簡便なアスベストの常温処理処理法である。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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