物質収支を用いた埋立構造の違いによる廃棄物のガス化量及び溶出量に関する検討
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概要
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本研究では,有機性廃棄物を充填し、好気性・準好気性・嫌気性埋立構造を有する「H-06号大型実験槽」を用いて60ヶ月間における廃棄物から発生する累積ガス化量と累積溶出量(浸出水中)を算出した.この結果,好気性槽では累積ガス化量が180.0kg,累積溶出量が9.0kgであり,準好気性槽では累積ガス化量が63.9kg,累積溶出量が33.0kg,嫌気性槽では累積ガス化量が20.7kg,累積溶出量が39.0kgとなった.準好気性槽では,実験開始から26ヶ月目まで埋立地内部が嫌気的状態にあったことから,この期間での累積溶出量は嫌気性槽と類似した量となった.さらに,嫌気性槽においては浸出水への溶出期間が長期化しており,未だ廃棄物のガス化量は少ないことが分かった.以上より,降雨量の特に多い地域では埋立地系外へ浸出水を排水させる事が必須であるため,埋立地からのガス発生量の予測には降雨量と有機物溶出量が重要なパラメータとなることが示唆された.
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
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