佃煮製造工程から発生する煮汁廃液の嫌気性DHSリアクターによる処理特性評価
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概要
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簡易な嫌気性DHSリアクターを作製し,佃煮製造工程から発生する煮汁廃液を原水として装置温度35℃で連続処理実験を行ったところ,TOC除去率43%,BOD除去率31%であり,TOC比で処理水中の約47%の炭素が有機酸にまで分解し,原水TOCの22%がガス化,28%が有機酸化した。外気温下条件での性能試験では,温度が低下するに伴いガス化率が31%から12%に低下したが,有機酸化率に大きな減少は見られず,約30%程度を維持した。また,pHを中性域に保つことでガス化率及び有機酸化率が上昇する傾向にあり,リアクターの性能が向上した。嫌気性DHSリアクターによる処理は,処理水の有機酸化に伴う基質の低分子化が進行しており,後段に嫌気性処理又は好気性処理を付加させることで容易に有機物の除去が可能であるため,小豆島の佃煮工場等の中小食品製造工場における排水処理施設の前処理として非常に有効であると考えられる。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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