都市ごみ焼却灰中の放射性核種
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概要
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本実験では都市ごみ焼却灰中の放射性核種をガンマ線スペクトロメトリーで分析し、都市ごみ焼却灰の放射線量の推定と放射性降下物の影響の調査をおこなった。都市ごみ焼却灰からは 40K, 137Cs, 210Pb, 226Ra, 228Ra, 228Th の 6 核種を同定することができた。これらのピーク強度を用いて都市ごみ焼却灰中の放射能濃度を算出したところ、すべての都市ごみ焼却灰中の放射性核種の放射能濃度は、岩石や土壌に含まれる放射能濃度と同レベルであった。放射能濃度から算出した都市ごみ焼却灰の Activity concentration index (I) は、一年間で受ける放射線量の世界平均値である 2.4 mSv を下回っていた。また、1 g の焼却灰を吸入したと仮定して計算した実効線量は Sv レベルであり、胸部 X 線診断での被曝 (100‒300 Sv) に比べ十分に低い値なので、健康上の問題は発生しない。A 焼却場の焼却飛灰では 210Pb と 226Ra の放射能濃度比が 1 を超え、137Cs と 210Pb の放射能濃度に正の相関が見られたことから、放射性降下物が加わった可能性が示唆された。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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