九州南部に分布するシラスの汚染水浄化特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
南九州に広く分布する「シラス」の水浄化材料としての可能性を検討した。12地点,のべ41層準から採取した試料に対して,Cu,Zn汚濁溶液および最終処分場浸出水を用いたバッチ試験,CEC測定,粉末X線回折,全炭素・全窒素含有率の測定を行い,重金属吸着能及び有機汚濁成分捕捉能とそれに関わるとみられる含有粘土鉱物及び腐植物について論じた.そのおもな結果を記す。(1)シラスの吸着能力や捕捉能力は産地および風化度合いに影響される.高い吸着能を有するシラスは地表付近の土壌化したものに多い.(2)吸着能は含有粘土鉱物に強く影響される.風化したシラスには,粘土鉱物としてハロイサイトのみの試料と数種類の粘土鉱物が含まれる試料が存在したが,後者の試料の方が能力は高い.また腐植物含有量と吸着能とは相関が小さい.(3)捕捉能は含有される腐植物の量とある程度の相関を有する.以上より,環境浄化面において、シラスは利用価値がある自然素材と考える。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
- 最終処分場におけるコロイド溶液を用いた自己修復型ライナーシステムに関する実験的検討
- LCA手法による家庭系生ごみ処理の地域システム評価 : コンポストの普及率等の実際的条件を考慮した分析
- 厨芥を対象とした水蒸気ガス化に関する基礎的研究
- 生ごみバイオガス化施設におけるメタン回収量, 環境保全性, 経済性の検討
- アンケート調査による北海道における牛ふん尿の自動撹拌式堆肥化施設とバイオガス化施設の設置効果の解析