塩ビ壁紙廃材から得られる炭化物の諸特性
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概要
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塩ビ壁紙は、塩ビ樹脂に可塑剤、安定剤、充填剤および光遮蔽剤を配合し、紙に塗布した複合製品で、リサイクル困難物である。我々は個々の素材の特性を利用しつつ、600℃の加熱処理により、排水中のダイオキシン類やアンモニアガスの吸着に優れた効果を示す炭化物を得る製造プロセスを開発した。それにより得られた低比表面積の炭化物がこのような特異な吸着機能を発現する原因を究明するため、炭化過程の変化を追うとともに各種機器分析を行い、紙由来の含酸素官能基が多く残存し、吸着能力を発現することを報告してきた。既報に加え、調湿、殺菌、シックハウス対応などの生活環境快適化に向けた炭化物の利用の可能性を探った結果、600℃の加熱処理炭化物について、調湿、殺菌およびシックハウス対応の生活環境改善の有用性を示した。この要因は酸性官能基を持つ炭化物、塩化カルシウム、および酸化カルシウムが共存するためであると考えられる。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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