健康日本21(第二次)の目標を考慮した健康寿命の将来予測
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概要
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目的 健康日本21(第二次)の目標(平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加)を考慮して,健康寿命の将来予測を行った。<br/>方法 基礎資料として,国民生活基礎調査,介護給付費実態調査と簡易生命表を用いた。2011~2020年の将来の死亡率が「日本の将来推計人口(平成24年 1 月推計)」のそれと同じと仮定し,将来の不健康割合に 3 つのシナリオを設定した。この仮定とシナリオの下で,将来の健康寿命をサリバン法で算定した。<br/>結果 「日常生活に制限のない期間の平均」では,2010年観察値(男70.4年と女73.6年)に対する2020年予測値は将来の不健康割合が2010年現在と同じというシナリオで男71.2年と女74.3年,最近の推移を継続するというシナリオで男71.4年と女74.5年,一定率で低下して将来の不健康寿命の延伸がないというシナリオで男71.7年と女74.9年であった。最後のシナリオにおける不健康割合の2010~2020年の低下率は男0.95と女0.96と推定された。「自分が健康であると自覚している期間の平均」は2010年観察値(男69.9年と女73.3年)に対する2020年予測値が 3 つのシナリオで男69.5~71.2年と女72.9~74.6年であった。最後のシナリオにおける不健康割合の低下率は男0.96と女0.97と推定された。65歳の「日常生活動作が自立している期間の平均」は2010年観察値(男17.2年と女20.5年)に対する2020年予測値が男18.0~18.2年と女21.2~21.5年であった。最後のシナリオにおける不健康割合の低下率は男0.90と女0.91と推定された。<br/>結論 将来の不健康割合にシナリオを設定して,2011~2020年の健康寿命を予測した。健康日本21(第二次)の目標が達成されるための将来の不健康割合の低下率を見積もった。
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