形式の異なる生活習慣改善プログラム選択の参加者属性および継続者と脱落者を判別する要因の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的 地域保健事業において,形式の異なる生活習慣改善プログラム選択の参加者属性とプログラム継続者と脱落者を判別する要因を検討する。<br/>方法 対象者は,平成14~17年度までに地域保健事業として実施された生活習慣改善プログラム(面接型•通信型)に参加した者であった。募集の周知方法や参加に関する募集条件,教室の実施期間は全く同じだった。面接型は 2 か月間に集団指導 1 回,保健師との個人面接を 3 回実施した。通信型は完全な非対面であり,コンピューターが個人に合わせて自動作成した教材を,保健師が参加者に 2 週間ごとに計 4 回郵送した。<br/>結果 参加者は,対面型321人で平均年齢は60.3±9.4歳,男性48人(15.0%),有職者69人(21.5%),通信型は90人で平均年齢50.2±11.5歳,男性39人(43.3%),有職者56人(62.2%)であった。分類 2 進木分析の結果,プログラム選択の分岐変数は年齢,仕事の有無,中性脂肪値,性別であった。継続率は面接型が274人(85.4%),通信型は57人(63.3%)であった。継続と脱落を判別する分岐変数はプログラム形式,ウエスト周囲径,HDLコレステロール値であった。<br/>結論 プログラム選択の参加者属性は年齢,仕事の有無,中性脂肪値,性別であった。継続者と脱落者を判別する要因はプログラム形式,ウエスト周囲径,HDLコレステロール値であった。若い層や有職者,男性が地域保健事業に参加するためには,形式の異なるプログラムを用意することは有効であり,脱落しやすい層へ丁寧に対応することで脱落者を減らせる可能性がある。
- 日本公衆衛生学会の論文
日本公衆衛生学会 | 論文
- 心理的健康の維持・増進のための望ましい生活習慣についての疫学研究
- 脳卒中予防対策地域における脳卒中発生状況と重症度の推移に関する疫学的研究
- 健康づくりのための運動指針2006の認知状況と他の健康づくり施策の認知および人口統計学的変数との関連
- 在宅生活をしている統合失調症患者のWHOQOL-26尺度に影響を与える要因の検討
- 肥満児の体力と保健指導プログラムにおける運動療法の効果