母親の予防接種に対する認識と接種状況
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概要
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目的 母親からみた予防接種の認識と妨げの状況を調査するとともに,母子の属性による相違,および,予防接種の標準接種年齢内の接種完了との関連を検討した。予防接種としては,百日せき・ジフテリア・破傷風混合(三種混合)1 期 3 回,ポリオ 2 回,麻しんとした。<br/>方法 愛知県大府市において,2 歳・4 歳・6 歳児から無作為抽出した900人の母親に対し,予防接種の認識と妨げおよび接種状況を郵送法により調査した。回収者757人の中で,23か月齢末までの予防接種状況が得られた721人のデータを解析した。<br/>成績 予防接種の認識は「きわめて大切」と「大切」がほとんどであった。予防接種の妨げは「日時が決められている」,「子供の体調がよくない」,「副反応が心配」,「接種間隔が決められている」が多かった。予防接種の認識は児の出生順と母親の仕事の有無,予防接種の妨げは母親の年齢と仕事の有無で違いがみられた。予防接種の認識が「きわめて大切」はそれ以外に比べ標準接種年齢内の接種完了率が高く,とくに麻しんで有意であった。予防接種の妨げにおいて,「あり」は「なし」に比べ標準接種年齢内の接種完了率が低い傾向であった。とくに「種類や回数が多い」でポリオ,「接種間隔が決められている」でポリオ,「時間が取れない」で三種混合と麻しん,「子供の体調がよくない」でポリオと麻しんが有意であった。<br/>結論 予防接種の認識と妨げについて,その状況は母子の属性により違いがあり,その状況により標準接種年齢内の接種完了率に違いがあると考えられた。
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