Tolosa-Hunt症候群と診断後, 海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を発症した1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
77歳女性, 右眼窩部痛を伴った複視を主訴に来院. 動眼神経麻痺が認められ, Tolosa-Hunt症候群の診断にてステロイド治療により症状は改善した. しかし初診時から1年後, 右外転神経麻痺, 両側眼球充血が出現. 脳血管撮影にて海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻が認められ, 経静脈的塞栓術を行った. 硬膜動静脈瘻の成因に炎症や外傷などの二次的要因も指摘されている. 本症例では海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の発症にTolosa-Hunt症候群による炎症が関与した可能性が示唆された. Tolosa-Hunt症候群は正確な診断と治療が重要であると同時に, 治療後も十分な経過観察が必要と考えられた.
- The Japanese Congress of Neurological Surgeonsの論文
The Japanese Congress of Neurological Surgeons | 論文
- 最新の神経画像検査を用いた側頭葉てんかんの多機能画像診断・手術
- The blood goes where it is needed
- 日本の脳神経外科の発展と一脳神経外科医の軌跡
- 脳動静脈奇形と硬膜動静脈瘻の直達術:なにが同じでなにが異なるのか?
- 治療困難な脳動脈瘤:現在の血管内手術に残された課題