尿閉で発症し急速に進行し四肢麻痺に至った小脳テント下硬膜動静脈瘻の1例
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概要
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64歳男性. 尿閉単独で発症し泌尿器科へ入院後, 急速に四肢麻痺となった. 画像検査で小脳テント近傍に短絡部を有し脊髄表面へ下降する硬膜動静脈瘻を認め, 直達手術を行った. 頭蓋内硬膜動静脈瘻が尿閉を含む脊髄症で発症する報告は散見されるが, 尿閉のみを初発症状とし, 他の脊髄症状が出現するまでに時間的ずれを生じた報告はない. 排尿に関する連絡路は主に脊髄の側・後索にあり, 特に求心路は後索にあるとされている. それらの報告と解剖学的見地から, われわれは静脈還流障害がまず側角に起こり, 次にその近傍の側索に障害が及び尿閉症状を発症し, 順次周辺組織へ影響を及ぼし四肢麻痺を呈したのではないかと推測するに至った.
- The Japanese Congress of Neurological Surgeonsの論文
The Japanese Congress of Neurological Surgeons | 論文
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