第1腰椎椎体圧迫骨折後に生じた嚢腫様腫瘤の1例
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概要
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症例は68歳男性. 転落により第1腰椎圧迫骨折をきたした. 受傷約2カ月後, 重量物を挙上した際に腰痛が出現した. 数日後より両側臀部から大腿裏面への痺れも出現し, 入院時には脊髄円錐症候群の状態であった. 第1腰椎の椎体破裂と椎体後面の嚢腫性病変を認め, 脊髄造影で同レベルでの完全ブロックを認めた. 手術では, 表面平滑で白色調の嚢腫壁が確認され, 切開により内部から淡血性で漿液性の液体が流出した. 除圧確認後, 椎体形成と後方固定を行った. 術後, 神経脱落症状は完全消失した. 本症例は, 第1腰椎椎体内に貯留していた液体が急激な圧負荷により脊柱管内に脱出した結果, 嚢腫性病変を形成したと考えた.
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The Japanese Congress of Neurological Surgeons | 論文
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