口唇、口蓋裂児を持つ母親の意識:特に一般人意識との相異について
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概要
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口唇, 口蓋裂児の親の本疾患に対する認識, 心理に対する調査研究を行い, 前回我々が調査した一般地域社会の認識と比較検討した.調査結果より, 次のことが明らかとなった.<BR>1.本調査より, 出生前の母親(調査群)と, 一般地域社会の人々(対照群)とは, 異なった集団ではないと考えられた.<BR>2.地域社会における人々の態度は, 比較的無関心であった.<BR>3.調査結果より, 口唇, 口蓋裂の原因について, 調査群では環境因子を重視するものが多いが, 対照群では遺伝を重視するものが多かった.<BR>4.本症の予後については, 両者では明らかに異なっていた.つまり地域社会の人々は, この問題にっいて患児の母親に比して客観的に考えていた.<BR>5.社会生活への影響については, 結婚に対する不利を強く訴えていた.<BR>6.治療機関としては, 口腔外科を挙げるものが最も多かった.(これは名占屋地区における特殊事項と考えられる.)<BR>7.健康保険の適応の問題については, 多くの人々が未知であり, 今後の医療行政機関の広報活動が望まれる.<BR>8.医療機関, 行政への希望記入欄では, 治療機関の充実, 医療費公費負担, 原因追求のための研究などが挙げられている.
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