鼻咽腔閉鎖不全に対する軟口蓋挙上装置の効果
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概要
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軟口蓋挙上装置(Palatal lift prosthesis;PLP)は口蓋裂患者における術後の鼻咽腔閉鎖機能改善のため広く用いられている.本研究では軟口蓋の挙上運動不足に起因する鼻咽腔閉鎖機能不全を示した口蓋裂術後患児で,PLPを適川した13例を対象に,PLP装着開始直前の鼻咽腔閉鎖機能と,PLPを装着して一定期間言語治療を行った後PLP非装着状態で判定した鼻咽腔閉鎖機能を比較し,PLPの効果について検討した.言語治療開始時期は平均1歳9カ月(口蓋形成術後平均2.8カ月後)で,PLPの平均装着開始時期は軽度不全例で6歳8カ月,不全例で5歳11カ月,PLPの平均使用期間は軽度不全例で13カ月,不全例で21カ月であった.その結果,聴覚判定では13例中11例(85%)で鼻咽腔閉鎖機能に改善が得られた.また,PLP撤去後も良好な鼻咽腔閉鎖機能が維持されたものは,13例中5例(38%)で,その5例中4例は治療前の評価が軽度不全例であった.よって,口蓋裂術後患児で軟口蓋の挙上運動不足に起因する鼻咽腔閉鎖機能症例に対するPLPを適用した言語治療は有川であると思われた.
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Japanese Cleft Palate Association | 論文
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