口唇口蓋裂患者に対する創内型装置を用いた上顎骨延長術の経験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
口唇口蓋裂では,上顎の劣成長によって重篤な反対咬合を来す場合がある.このような症例では,口蓋に形成された疲痕組織によって上顎の前方移動が制限をうける.そこで,従来の骨切り術に代わる有効な治療法として,上顎に対する骨延長術が適用されつつある.今回われわれは,上顎の劣成長によって反対咬合を来した口唇口蓋裂3症例に対し,創内型装置による上顎骨延長術と下顎枝矢状分割術による咬合改善を行ったので,その概要を報告する.<BR>上顎骨に対し,high Le Fort I 型骨切り術を行い,術後7日間の待機期問をおいて骨延長を開始した.延長速度は1日あたり1.0mmとし,10mm延長したところで延長操作を終了した.上顎骨延長終了後約6ケ月経過してから,骨延長装置を撤去して,ミニプレートにより骨延長部を固定した.同時に,下顎枝矢状分割術による下顎後方移動を行って咬合状態を改善させた.その結果,良好な顔貌および咬合状態が獲得され,口唇口蓋裂患者への創内型装置を用いた上顎骨延長術は有用な方法であることが示された.
- Japanese Cleft Palate Associationの論文
Japanese Cleft Palate Association | 論文
- 北海道大学病院高次口腔医療センターにおける口唇裂・口蓋裂患者の臨床統計的調査
- 齲蝕と顎発育の関連性について
- 下顎前歯を移植することで咬合の改善を図った上顎片側側切歯先天欠如を伴う唇顎口蓋裂の2症例
- 5-Year-Olds' Indexの基準模型における精度と再現性の評価
- NAM治療後にTwo flap口蓋形成手術を行った左側唇顎口蓋裂症例