上顎裂側へ二本の下顎小臼歯移植を行った片側性唇顎口蓋裂患者の一例
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概要
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複数の裂側永久歯先天欠如を伴った片側性完全唇顎口蓋裂に対し,口唇形成,口蓋形成,顎裂骨移植,歯の自家移植の順で各々至適時期に処置を施し,最終的に天然歯のみで咬合再構戒が可能となった症例を経験したので若干の考察を加え報告する.<BR>症例は右側完全唇顎口蓋裂の女児.542 5部の先天欠如を伴っていた.Davies法による初回口唇形成術を生後4ヵ月に実施し,Manchester法による初回口蓋形成を1歳5ヵ月に実施した.矯正歯科の初診は4歳.顎裂自家腸骨移植を8歳に実施し,形成された顎堤への隣接犬歯移動の後,歯の欠損部へ下顎両側第一小臼歯の移植を11および13歳に実施した.マルチブラケット法による咬合再構成後,現在保定中である.<BR>今回経験した症例では顎裂周囲の歯を始め全ての部位の非補綴的咬合再構成が可能であったが,それを達成するために長期の装置装着ならびに複数回の外科処置が必要であった.
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Japanese Cleft Palate Association | 論文
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