口蓋形成時と鼻咽腔閉鎖機能評価時における鼻咽腔形態と鼻咽腔閉鎖機能との関係について
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概要
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口蓋裂を伴う患児50例(両側性口唇口蓋裂14例,片側性口唇口蓋裂21例,口蓋裂15例)において鼻咽腔形態と鼻咽腔閉鎖機能との関係について検討を行った.口蓋形成はすべて1.5±0.1歳時にpushback法で行った.鼻咽腔形態は口蓋形成術直後に実測するとともに,口蓋形成術直前と5歳時に撮影した側面頭部X線規格写真で計測した.鼻咽腔閉鎖機能は5歳時に評価し,良好,軽度不全,不全に分類した.結果は以下の様であった.<BR>1.口蓋形成術直後の鼻咽腔形態の実測値では,鼻咽腔形態と鼻咽腔閉鎖機能との関係は認められなかった.<BR>2.口蓋形成術直前での側面頭部X線規格写真の分析では,鼻咽腔形態と鼻咽腔閉鎖機能との関係は認められなかった.<BR>3.5歳時での側面頭部X線規格写真の分析では,鼻咽腔閉鎖不全群での軟口蓋長が軽度不全群や良好群と比較して有意に短かった.<BR>4.以上より,鼻咽腔閉鎖不全は,術直後の鼻咽腔形態よりもむしろ術後の成長過程における軟口蓋長の劣成長によって引き起こされると考えられた.
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