口唇・口蓋裂患者に関する実態調査:第3報:初回手術前におけるインフォームド・コンセントの評価
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概要
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先天異常の治療においては,治療を受ける対象が乳幼児であるため,その治療に対するインフォームド・コンセントは主に両親が対象となる.しかし,患児を出産した直後で精神的に動揺している両親に対して,長期にわたる治療についてのオリエンテーションや今後予想される障害などの説明等が十分に理解されているとは言いがたい.<BR>そこで,今後の医療者の糧とする目的で,治療についてどのようにインフォームド・コンセントが行われているのか,代表的な先天異常である口唇・口蓋裂を対象に実態調査を行った.実施に際しては,複数の「患者の親の会」に協力を求めて,質問紙法を用い行った.その結果,212名の患者の保護者より回答が得られた.初回手術前におけるインフォームド・コンセント全般に満足していた回答者は63.0%(126名)で,37.0%(74名)は満足していなかった.本調査より,インフォームド・コンセントの満足度には,病気や治療方法の詳しい説明だけでなく,家族からの質問への対応といった担当医師の態度が大きく関わっていることが明らかになった.また,診療時間以外にも,患者が情報を得られるような工夫の必要性が考えられた.
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