正中唇裂の一例
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概要
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正中上唇裂の発生頻度は顔面裂のうちでもまれな疾患であり,発生学的にもきわめて興味深い。<BR>今回,われわれは正中上唇裂の1例を経験したのでその概要を報告する。症例は,生後8か月男児(体重8,3309)。上唇部の審美障害を主訴として来院した。口唇は,赤唇正中部にわずかなnotch状の披裂と,cupid'sbow正中部に段差を認めた。人中部は幹度陥凹と人中稜の大きさに多少の左右差を認めた。口腔内は,上唇小帯の強直と右下顎乳切歯と乳側切歯の癒合歯を認めた。X線所見では,上顎正中部の歯槽骨に切痕状破裂を認めた。口腔,顔面以外には特に異常は認ず。全身麻酔下にて口唇形成術と上唇小帯移動術を施行した。手術は,口輪筋の正中断裂部を縫合した後,上唇小帯を上方に移動し,左右赤唇が均等になるよう形成した。術後口唇の形態は良好に回復されているが,歯槽骨の披裂に対しては経過観察とした。
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Japanese Cleft Palate Association | 論文
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