顎裂への新鮮自家腸骨海綿骨細片移植術:術後早期にみられた経過不良症例に関する検討
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概要
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1991年1月から1993年12月までの3年間に,顎裂への新鮮自家腸骨海綿骨細片移植術を施行した174例,196顎裂のうち,術後早期にみられた経過不良症例12例,13顎裂について,その原因と対策について検討した.<BR>1.経過不良症例は12例,13顎裂で,裂型別内訳は,片側口唇顎裂が1例,片側口唇口蓋裂が8例,両側口唇口蓋裂が3例(2例は片側のみ不良)であった.<BR>2直接的な原因は,歯周組織,鼻腔,創し開部からの感染であった.<BR>3.間接的には,骨移植時年齢,裂型,顎裂の大きさの因子が関与していた.<BR>4.174例中,8歳から10歳までの犬歯未萌出症例は69例,39.7%であったが,この中に経過不良症例は認められなかった.<BR>5.対策としては,術前に感染源を除去しておくこと,骨移植時期を遵守することが肝要であると思われた.
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