発音時における口蓋帆挙筋活動に対する口腔内圧,鼻腔気流量の影響:健常者における検討
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概要
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健常者における口蓋帆挙筋活動が,鼻腔気流量および口腔内圧の変化に対してどのような対応を示すのかを明らかにすることを同的として以下の実験を行った.実験は,健常者5名を対象に行った.発声時の呼気を鼻腔に流入させるために,先端より5cmの位置に直径5mmの開窓部を設けたビニール製の強制的呼気流入用チューブを作製した.このチューブを鼻腔より挿入し発声時の呼気が鼻膣に流入したときと,チューブ内にマンドリンを挿入することによって開窓部と内膣を閉塞し,呼気の流入を阻止した場合に,被験者に/pu/を20回以上表出させてa口蓋帆筋挙活動,鼻腔気流量,口腔内圧について検討し,以下の結果を得た.<BR>1.鼻腔に発声時呼気が流入した場合の口蓋帆挙筋活動は,流入していない場合と比較して有意に上昇することが明らかとなった.<BR>2.口蓋帆挙筋活動を目的変数とし,鼻腔気流量と口腔内圧を説明変数とする重回帰分析を行った.その結果口蓋帆挙筋活動の調節には鼻腔気流量と口腔内圧の両者が関与し,鼻腔気流量の影響が口腔内圧よりも強いことが示された.<BR>以上のことから,健常者においても,発声時呼気が鼻腔に流入する際鼻咽腔閉鎖機能の調節に鼻膣気流量ならびに口腔内圧が影響することが明らかとなった.
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