Le Fort I 型骨切りにより上顎骨前方移動術を施行した唇顎口蓋裂患者の鼻咽腔閉鎖機能について
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概要
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口蓋裂を伴う下顎前突患者に対する矯正治療の一環として,Le Fort I型骨切りによる上顎骨前方移動術を施行した場合に,本術式の適用が鼻咽腔閉鎖機能動態にもたらす変化を検討する目的で,術直前,術後4カ月時,術後10カ月時の嚥下ならびに発音過程をX線映画に撮影して定性的観察と時間的分析を行うとともに,術前後に言語機能検査を行い,以下の結果を得た.<BR>1.定性的観察から,術後には嚥下過程における軟口蓋挙上度が小さく弱々しくなる傾向がうかがえた.<BR>2.時間的計測から,術後には嚥下開始時点が遅くなる傾向を認めた.<BR>3.言語機能検査からは,術後に異常構音の出現や会話明瞭度の低下は認められなかった.<BR>以上より,唇顎口蓋裂を伴う下顎前突患者に対するLe Fort I型骨切りによる上顎骨前方移動術は,術後の鼻咽腔閉鎖機能動態に影響を及ぼす可能性かあることが示唆された.
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