唇顎口蓋裂児の語彙理解力に関する臨床的研究
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概要
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言語理解力は言語の発達において最も基礎的な能力である.しかし,この観点からの報告は少ないため,われわれは唇顎口蓋裂児の語彙の理解力を把握する目的で本研究をおこなった.対象症例は唇顎口蓋裂児109例である.研究方法としては絵画語彙発達検査を個別に施行し,以下の結果を得た.<BR>1.歴年齢に対して語彙年齢は,同年齢の健常児よりもやや低い傾向を示すものが多かった.<BR>2.小学校低学年用刺激語の1/3に,健常児と比較して唇顎口蓋裂児の語彙理解は遅れがみられたが,高学年用や中学校用刺激語では差はみられなかった.<BR>3.同一年齢におけるcore vocaburalyでは3・4歳代では小学校低学年用刺激語の約60%に,8歳代で高学年用刺激語の約60%に語彙理解がされていた.<BR>4.唇顎口蓋裂児の評価点は,同一年齢における水準では,中下位,中位に位置するものが多い傾向がみられた.
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