キューバにおけるヒレナマズClarias gariepinusの食利用に関する検討
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概要
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【目的】キューバでは食糧確保の目的で1999年に繁殖力の高いアフリカヒレナマズを導入した。2001年11月に到来したハリケーンにより、世界自然遺産候補であるサパタ湿地をはじめとする自然の淡水域および汽水圏への流出が起こり,貴重な固有種の駆逐が懸念されている。これらの環境保全策の一つとして、移入種の漁獲と利用が効果的であると考え、ヒレナマズ肉を原料とした製品のキューバ人に対する嗜好性を知ることを本研究の目的とした。 【方法】キューバの首都ハバナ市内およびサパタ湿地地区の住民に対して魚食の習慣や嗜好について聞き取りおよびアンケート調査を行なった。ヒレナマズ肉製品の嗜好調査には,ハバナ市内で販売されていた養殖ヒレナマズの冷凍フィレーまたはサパタ湿地で漁獲されたヒレナマズを用いた。フードプロセッサーまたはすり鉢を用いて調製したすり身からフィッシュボールや野菜を入れたさつま揚げを作製して食味試験を行なった。また,煉り製品をはじめとした日本で市販されている様々な水産加工食品についても嗜好性を調べた。 【結果】魚食を好むキューバ人が多かった一方で,半数以上は摂食頻度が2回/月以下と回答した。魚種としては海産の魚や魚介類が,料理法としては主に揚げ物料理やソース料理が好まれていた。板付けかまぼこやちくわなど、食経験のない一部の製品を苦手とする回答はあったものの、日本の加工食品の評価は決して低くはなかった。しかしながら、現地で調達したヒレナマズ肉で作製したフィッシュボールやさつま揚げに対する評価はさらに高かった。
- 日本調理科学会の論文
日本調理科学会 | 論文
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