女子短期大学における給食に関する研究:残食と嗜好、食情報及び欠食との関連
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概要
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<目的>近年、若者の食生活について、欠食や摂取栄養量のアンバランスなど、様々な問題が挙げられている中、短期大学生に対する食育は有効であると考えられる。本学は栄養士、保育士の養成施設であり、教育の一環として給食を実施している。将来食育の担い手となる学生にとって、給食は正しい食事のあり方を学ぶ場であるとともに、自らの食生活を見つめなおす場であってほしい。そこで、給食の嗜好や食生活に関する調査を行い、短期大学における給食を活用した食育を行うための基礎資料を得ることを目的とした。<方法>2010年11月に本学学生を対象に自記式アンケート調査を実施した。有効回答者数は442名であった。調査内容は、給食の量、味、残食及び満足度について、食情報(献立表、卓上メモ)に対する意識及び欠食についてであった。集計及び解析は、給食を「残さない群」と「残す群」とに分け、χ2検定を行った。p<0.05で有意差ありとした。<結果及び考察>「残さない群」は「残す群」と比べ、給食の量、味及び満足度ともに高い評価であった。また、食情報への意識も有意に高かった。朝食摂取頻度は、「残さない群」が「残す群」に比べ、有意に高く、昼食及び夕食も含めた欠食頻度は、有意に低かった。これらのことから、「残さない群」は「残す群」に比べて、規則正しい食生活をしていることがうかがえ、食に関する情報をとらえ、活用するスキルが身についていると思われる。今後は、継続して嗜好調査を行い、学生にとって魅力的な給食を提供することで給食の残食を減らしていくこと、食情報の提供方法を検討し関心を高めること、給食以外の食事や食生活習慣についてさらに調査研究が必要であると思われた。
- 日本調理科学会の論文
日本調理科学会 | 論文
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