前立腺導管癌の7例
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概要
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前立腺導管癌は,高円柱状の異型細胞からなり,乳頭状あるいは篩板状構造を示す比較的稀な前立腺癌の一亜型である.当院泌尿器科にて前立腺導管癌と診断された7症例の臨床的検討を行った.平均年齢は69歳(58~82歳),平均初診時PSAは22.8 ng/ml(2.1~102 ng/ml)であった.2例が排尿困難,2例が肉眼的血尿,1例が肺の異常陰影を契機に受診した.5例が前立腺針生検,1例がTUR-P,1例が前立腺全摘除術にて導管癌と診断された.2例がpure ductal adenocarcinoma,5例が腺房癌との混在を示すmixed ductal adenocarcinomaであった.4例は初診時に遠隔転移を認め,肺転移3例,肝転移1例,リンパ節転移1例であり,骨転移は認められなかった.転移を認めない3例のうち2例が前立腺全摘除術,1例が内分泌療法併用放射線外照射を施行された.前立腺全摘除術を施行された2例は術後放射線外照射療法を要した.これら3例は,現在明らかな転移再発を認めていない.転移を認めた4例は内分泌療法を施行され,1例が再燃なく経過しており,1例が新規病変の出現を認め,1例はドセタキセル療法が導入され現在経過観察中である.
- 一般社団法人 日本泌尿器科学会の論文
一般社団法人 日本泌尿器科学会 | 論文
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