腎カルチノイドに対して腎部分切除4年後,腎局所再発および多発リンパ節転移を認めた1例
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概要
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64歳男性.2005年11月,健診で右腎に径2.5 cm大の腫瘍を指摘され,当院紹介初診となった.画像診断にて,右腎に嫌色素性腎癌などの乏血管性の腫瘍が疑われたため,2006年1月に右腎部分切除術施行した.切除組織はクロモグラニンAおよびシナプトフィジン陽性であり,病理組織学的に非定型カルチノイド(断端陰性)を認め,腎原発カルチノイドと診断された.追加治療なく,外来にて定期的経過観察していたが,2010年8月,腹部超音波検査にて右腎切除部分に突出する腫瘍性病変を認め,精査目的のCT検査にて腎カルチノイドの右腎局所再発および下大静脈周囲の多発リンパ節転移が疑われた.2011年3月に右腎摘除術および右腎門部・傍大動脈リンパ節郭清術を施行した.病理組織学的には,非定型カルチノイド局所再発と多発リンパ節転移を認め,また偶発微小腎細胞癌も認めた.腎原発カルチノイドとしては本邦43例目と考えられる.腎カルチノイドの部分切除後に局所再発し,リンパ節転移を呈した症例は稀であり,文献的考察を含め報告する.
- 一般社団法人 日本泌尿器科学会の論文
一般社団法人 日本泌尿器科学会 | 論文
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