ヤクの季節放牧休牧利用方式がチベット南部高原高山野草地植生と植物種多様性に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヤクの季節放牧が植物種多様性と植生に及ぼす影響を調査した.暖季放牧地(WSGP)では62種が出現し,寒季放牧地(CSGP)の53種よりも多かった.WSGPはCSGPよりもShannon-Wiener指数,Simpson指数とPielou指数が低く,植被度と群落高は低かった(p<0.05).地上部現存量は,WSGPでは42.9 gDM/0.25 m<SUP>2</SUP>で,CSGPの108.7 gDM/0.25 m<SUP>2</SUP>よりも低かった(p<0.001).WSGPでは<I>Kobresia parva</I>など草高が低く放牧に強い草種,<I>Leontopodium nanum</I>など匍匐性で踏圧に強い草種が優占種であったが,CSGPでは<I>Elymus nutans</I>など高草高の草種や<I>Taraxacum mongolicum</I>など優良野草が優占種であった.WSGPでは<I>Stellera chamaejasme</I>など草地劣化を象徴する植物種が多数出現した.
著者
-
曹 旭敏
宮崎大学大学院農学工学総合研究科
-
長谷川 信美
宮崎大学大学院農学工学総合研究科
-
宋 仁徳
中国青海省玉樹畜牧獣医センター
-
李 国梅
中国青海省玉樹草原センター
-
孫 軍
宮崎大学大学院農学工学総合研究科