鶏肉における細胞骨格タンパク質talinの発現と局在
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概要
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細胞骨格タンパク質talinは,integrinとactin細胞骨格との間の重要な架橋として働いている.ある研究では,熟成した肉の保水性に関与すると報告されている.しかし,talinには2つのアイソフォーム,talin1(T1)およびtalin2(T2)があり,それぞれの生物学的役割は十分には理解されていない.また,T1とT2の肉質における特異的な役割も明確にはなっていない.本研究において,我々は,ニワトリの胸肉,腿肉,砂のう筋および心筋におけるT1とT2の発現量を調べた.また,腿肉におけるtalinの死後変化も調べた.T1のmRNA発現量は,砂のう筋で高く,胸肉で低かった(<I>P</I> < 0.01)が,T2の発現量は砂のう筋で低く胸肉で高かった(<I>P</I> < 0.01).また,砂のう筋におけるT1は腿肉や心筋よりも高かった(<I>P</I> < 0.01).8d4,anti-talin2または TA205抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果,anti-talin2だけが骨格筋におけるtalinを検出することができた.また,免疫組織染色法においても,8d4ではなくanti-talin2が腿肉の筋繊維の周囲にtalinが局在することを示した.さらに,anti-talin2によってラベルされた腿肉のtalinは死後の貯蔵の間,早期に消失した.これらの結果から,ニワトリ骨格筋における(T1ではなく)T2の死後分解は,鶏肉の肉質に影響する可能性があると考えられた.
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