二番茶製茶加工残さ給与が群飼条件下における肥育豚の枝肉及び肉質に与える効果
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概要
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前報において,一番茶よりも渋みは増すものの,機能性成分が高い二番茶について単飼条件下で肥育した豚への給与試験を行い,二番茶は一番茶よりも枝肉成績や肉質を向上させ,さらに免疫を増強させることが確認された.そこで本試験では,一般の豚生産の条件に合わせて群飼した肥育豚に二番茶を給与し枝肉,肉質および免疫増強に与える効果を調査した.供試豚はランドレースの去勢豚とし,試験区分は無抗菌剤飼料に製茶加工残さを添加した一番茶区ならびに二番茶区,無抗菌剤飼料を給与した無抗菌剤区および抗菌剤入りの市販飼料を給与した対照区の4区とした.供試豚は各試験区ともに6頭ずつとしてコンクリート平床豚房で群飼し,平均体重が30 kgを超えた時点で試験を開始した.一番茶区および二番茶区は,肥育前期には無抗菌剤飼料にそれぞれ2%混合し,肥育後期には市販飼料にそれぞれ1%混合して給与した.発育成績において,日増体量は有意な差が認められなかった.枝肉成績において,枝肉重量に有意差は認められなかったが,背脂肪厚(腰)については,対照区および無抗菌剤区と比較して,一番茶区および二番茶区が有意に薄くなった(p<0.05).枝肉中のα-トコフェロール含量は,胸最長筋においては有意差が確認されなかったが,背脂肪は無抗菌剤区と比較して二番茶区が有意に高くなった(p<0.05).免疫増強効果について,血中のAR抗体価は,試験開始21日および28日目において一番茶区が対照区および無抗菌剤区と比較して有意に高くなり(p<0.05),IgA濃度は,試験開始14日目に二番茶区が無抗菌剤区と比較して有意に高くなった(p<0.05).また,農家実証試験においても背脂肪厚低減による上物率の向上が確認された.以上の結果から,群飼条件下においても単飼条件下と同様に,製茶加工残さ二番茶は一番茶と比較して,枝肉や肉質を向上させ,さらに免疫機能を向上させる可能性が高いことが確認された.
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日本暖地畜産学会 | 論文
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