甲状軟骨形成術I型におけるゴアテックスの挿入方法の工夫
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概要
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ゴアテックスは組織親和性に優れ、甲状軟骨形成術の挿入材料として利用されているが、術後の音声については必ずしもシリコンブロックと同等な成績でないことが示されている。われわれは反回神経麻痺症例に対し、ゴアテックスをロール状に堅く形成したのち、甲状軟骨開窓部に固定することで、弛むことなく固定することができ、空気力学的にも良好な音声を得ることができた。高速度画像で確認すると、披裂部を含め大きく振動していた麻痺声帯が術後披裂部の運動が制限され、麻痺声帯の振動が膜様部のみとなった。さらに健常側の振動も安定したものとなった。健側を含め安定した声帯振動を確保できたことが音声の改善につながったと考えられた。
- 耳鼻と臨床会の論文