高齢者の口腔内水分量測定と口腔ケアについて
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概要
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高齢者の多くには口腔内の乾燥や衛生状態の不良があることが知られている。このことが、上気道感染、肺炎などの原因になるということで注目されている。今回われわれは、当大学の関連施設である介護老人福祉施設入居者を対象に、高齢者の口腔乾燥の状態を調査した。積極的に口腔ケアをすることによって乾燥状態の変化について検討した。口腔内水分量測定方法は口腔水分量計を使用し、2007 年 3 月 ・ 6 月 ・ 10 月の計 3 回、口腔粘膜 (頬粘膜、舌粘膜) 測定を 1 回ずつ行った。6 月から歯科衛生士の指導のもと、積極的に口腔ケアを行うようになった。最近 4 年間の肺炎発生件数についても調査を行った。高齢者の口腔内水分量は平均すると健常人と大きな差はなかった。口腔ケアを行っても水分量の変化は認められなかった。肺炎患者数については口腔ケアを開始した 2007 年から減少した。このことより高齢者に対する口腔ケアの有用性が期待できる。
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