慢性腎不全患者に発生した Epstein-Barr virus (EBV) 関連胃癌の 1 例
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概要
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透析導入期の腎不全患者に発生した Epstein-Barr virus (EBV) 関連胃癌の 1 例を経験したので報告する.症例は,72 歳男性.末期慢性腎不全により透析導入となった.経過中貧血を認め,上部消化管内視鏡を施行したところ胃体中部大弯側に Type 2 腫瘍を認め,生検で adenocarcinoma と診断された.幽門側胃切除術,D1リンパ節廓清,Roux-en-Y 再建を施行した.術後病理所見では,腫瘍は Carcinoma with lymphoid stroma で,腫瘍細胞は in situ hybridization 法にて EBV-encoded small RNAs (EBER) -1 陽性であり,EBV 関連胃癌と診断された.EBV は人体に潜伏感染し,様々な原因で免疫能の低下を認めたときに再活性化し,免疫異常や感染細胞の遺伝子変化などの分子機構により発癌を引き起こすと考えられている.本症例は慢性腎不全による免疫能低下状態に EBV 関連胃癌を発症したと考えられた.
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