医師測定による血圧上昇と唾液中クロモグラニン A
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概要
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医療環境下で測定する血圧は,環境の違いだけでなく,測定者により変化することがある.この機序には精神的ストレスに伴う交感神経活動亢進が関与しているが,これらを評価することは難しい.近年,精神的ストレスマーカーとして唾液中クロモグラニン A (CgA) の有用性が報告されている.今回,健康診断受診者を対象に,測定者 (医師とナース) の違いによる血圧変化と唾液中 CgA の意義について検討した.健診受診者 126 例について,安静時,ナース血圧測定時,および医師血圧測定時に唾液中 CgA を測定した.結果,14%は医師測定時の血圧のみ 140/90 mmHg 以上であった.測定者により血圧変化を認めたときは,同時に測定した唾液中 CgA も有意に上昇した.以上より,健診時の血圧上昇には医師測定に対する精神的ストレスや交感神経活動亢進が関与しており,その客観的指標として唾液中 CgA が有用と考えられた.唾液中 CgA は今後,臨床において白衣現象の診断に有用と考える.
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