原発性空腸癌の1手術例
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概要
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症例は 72 歳の男性で食欲不振,体重減少 (10 kg/1.5 か月) を主訴に近医受診し,上部消化管内視鏡検査を受けた.その際胃内の食物残渣多量で詳細は不明であった.その後,食後の腹痛が出現しさらに CEA 高値のため当院を紹介され受診した.当院上部内視鏡検査でも同様の所見であったが,小腸造影検査で Treitz 靭帯より約15 cm の肛門側空腸に全周性狭窄を認めた.腹部 CT 検査でも小腸の腫瘤とそれより口側の腸管の拡張を認めた.以上より小腸腫瘍に起因した食思不振と体重減少と考え手術を施行した.手術所見では Treitz 靭帯より約 15 cm の肛門側に 3 cm 大の腫瘍を認め,周囲リンパ節腫脹と大網に 2 cm 大の転移を認めた.腫瘍を含めて約 30 cmの空腸切除術を行い,再建は小腸の端々吻合術を行った.摘出標本の病理組織所見は Tubular adenocarcinoma of the small intestine でリンパ節転移は認めなかったが,大網転移を認めた.原発性空腸癌は比較的まれな疾患であるが,外科的に切除した症例を経験した.
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