術前化学放射線療法で著効が得られた頚部食道癌の1例
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概要
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症例は 66 歳の男性.嗄声,嚥下時咽頭痛を主訴として某病院受診し,精査の結果頚部食道癌と診断され当院紹介受診した.上部消化管内視鏡検査で頚部食道に 2 型の病変を認め,生検の結果扁平上皮癌であった.頚部食道癌 T3N1M0 の stage IIIと診断し手術療法を選択したが,術前化学放射線療法として 5-FU/CDDP 療法およびリニアック 30Gy/15f/3W を照射した.その後,両側頚部郭清,咽頭喉頭食道切除,甲状腺左葉切除,遊離空腸移植術を施行した.切除摘出標本では粘膜が白色調で肥厚した部位を認めたが腫瘍は消失していた.病理組織所見では著しい線維化の部位と異物巨細胞を認めたが,増殖し得る癌細胞遺残はなかった (Grade 3).術前化学放射線療法で pCR となったと考えられる症例であった.
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