子宮広間膜裂孔ヘルニアの一例
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概要
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子宮広間膜裂孔ヘルニアは稀な疾患である.本邦 79 例の集計とともに,若干の文献的考察を加え報告する.症例は 40 歳女性.腹痛と嘔吐を主訴に近医を受診,イレウスの診断で当院紹介となった.入院時骨盤 CT にて骨盤内に拡張した小腸と少量の腹水を認めイレウスの診断で保存的加療を行った.入院 2 日目にイレウス症状の増悪を認めたため再度骨盤 CT 施行,子宮左側に小腸の狭窄像を認めたため,内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断,緊急手術を施行した.開腹所見では,左子宮広間膜に約 3 cm 大の裂孔を認め,回腸末端から約 90 cmの回腸が約 90 cm にわたり陥入し,絞扼されていた.絞扼を解除し,壊死小腸を約 100 cm 切除,裂孔を単純閉鎖し手術を終了した.術後経過は順調で,術後 10 日目に軽快退院となった.
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