乳癌小腸転移による穿孔性腹膜炎の1例
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概要
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症例は 77 歳女性,女性.2007 年 1 月に右乳癌に対して乳房温存手術施行,その後放射線療法および化学療法を行っていた.2008 年 11 月初旬,突然の腹痛が出現し当科を初診.消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急開腹手術を施行した.小腸 1 ヶ所に穿孔を認め,穿孔部位から肛門側 2 ヶ所に腫瘍性の結節性病変を認めたため,乳癌の小腸転移とそれに伴う小腸穿孔と判断し小腸部分切除術を施行した.術後 91 日目に肝転移による肝不全を併発し死亡した.乳癌の小腸転移による穿孔手術例は文献的にも稀である.転移性乳癌の予後の延長に伴い,乳癌の消化管への転移症例は増加することが予想される.進行・再発乳癌患者の経過観察においては,消化管症状の有無の聴取や診察,精査も念頭において行うことが重要と思われた.
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