冠動脈バイパス術後グラフト評価における64列MDCTの有用性と問題点
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概要
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要旨 目的:MD (Multidetector-row) CT は多列化に伴い冠動脈疾患の診断に使用され,良好な成績が報告されてきている1).その利用は治療後の評価にまで及んでいる.CT による冠動脈バイパス (CABG) 術後グラフト評価は血管造影に比べ低侵襲であることから近年新しいグラフト評価法として注目されている2~4).当院では 2007年 4 月に 64 列 MDCT を導入し,CABG 術後グラフト評価に利用している.今回当院での結果をもとに MDCT の有用性,問題点について検討した.方法:CABG 患者に対して同時期に MDCT と血管造影が施行された症例の検査結果を比較し MDCT の精度を検討した.結果:感度 100%,特異度 93.6%,陽性反応的中度 70.0% (動脈 g 54.0%,静脈 g 100%),陰性反応的中度 100%であった.結語:CABG 後グラフト評価において 64 列 MDCT は有用である.特に陰性反応的中度は高く,MDCT は CABG 後評価にも充分活用可能であるといえる.しかし,動脈グラフトの場合,偽陽性率が高い傾向にあり,血流量が低下している動脈グラフトを判定する際には注意が必要である.
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