自然気胸に続発した特発性縦隔気腫の一例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は 72 歳の男性.慢性腎不全で透析を受けていた.胸部違和感と労作時の呼吸苦を主訴に胸部 X 線写真を行い,右肺の虚脱を認めため,直ちに胸腔ドレナージを行った.ドレナージ直後より肺の膨張は良好で気漏も認めなかったが,3 日後より著明な皮下気腫が出現した.ドレナージチューブからの空気の流出を認めなかったため,ドレーンの閉塞を考えドレナージを入れ替えたが気漏は認めなかった.胸部 CT 上,皮下気腫,縦隔気腫を認め,ドレーンからの気漏は認めないことから,自然気胸に続発した特発性縦隔気腫と診断した.肺の気腫化や透析患者などの肺の脆弱化した症例では,特発性縦隔気腫を併発することも考慮して治療にあたる必要がある.
- 日本大学医学会の論文
日本大学医学会 | 論文
- SSPE麻疹ウイルスによる細胞融合能機能解析
- 閉塞性動脈硬化症例おける血管内皮前駆細胞の動態
- 下肢静脈瘤に対する術式の相違による神経障害の検討
- Paclitaxel と Trastuzmab の併用療法が長期間奏効した再発進行乳癌の2例
- 日大外科の手術力 : 2007年度外科学系手術統計