虫垂憩室穿孔の1例
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概要
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症例は 55 歳,男性.主訴は右下腹部痛および発熱. 2007 年 11 月某日より右下腹部痛が出現,3 日後より症状の増悪および発熱が認められたため当院を受診した.既往歴は 45 歳時に急性虫垂炎 (保存的加療で軽快).来院時,体温 37.7°C, Mc Burney 圧痛点を中心に Blumberg 徴候と筋性防御を認めた.腹部 CT 検査で腫大した虫垂と周囲脂肪織の濃度上昇を認めたため,急性虫垂炎の診断で虫垂切除術を施行した.病理組織学的に虫垂中央部に仮性憩室が存在し,同部位に穿孔を認めた.術後経過は良好で合併症なく退院となった.虫垂憩室症は解剖学的特徴から炎症をきたすと膿瘍形成や穿孔を生じやすく,穿孔率も高いため,早期にドレナージを考慮した虫垂切除を施行する必要がある.
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