後天性後鼻孔狭窄・閉鎖症の2症例
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概要
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当科で治療を行い経過に差が生じた後天性後鼻孔狭窄・閉鎖症の2症例を報告する。症例1は69歳の女性。以前から鼻閉があり, 当科を受診した。鼻腔ファイバー所見とコンピューター断層撮影 (CT) で後天性後鼻孔狭窄症の診断となり, 経鼻的に手術を行った。手術においては狭窄病変を切除し, 再狭窄予防として鼻中隔の後端を切除した。1年後の受診時には後鼻孔がやや狭窄している所見を認めたが, 鼻閉などの症状は消失した。症例2は72歳の女性。両側の耳閉感と鼻閉を訴えて当科を受診した。鼻腔ファイバー所見, CT, 核磁気共鳴 (MRI) 画像で後天性後鼻孔閉鎖症の診断となり, 症例1と同様, 経鼻的に手術を施行した。しかし, 術後1ヶ月で後鼻孔が再狭窄したため, 外来で再度, 外科的処置を施行した。その後も狭窄・閉鎖を繰り返したため, 最終的には後鼻孔にシリコン製ステントを留置した。ステント留置後数日は軟口蓋の周囲に異物感を訴えたが, 次第に気にならない程のものとなった。現在, 後鼻孔は開存し比較的良好に経過している。
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