レジンコーティングした円弧型GFRC 製クラスプの疲労耐久性
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概要
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目的:ガラスファイバー強化型コンポジットレジンの一つであるエステニアC EGファイバー(以下EG)は優れた疲労耐久性を示す.しかし,定変位疲労試験後の真直型EG製クラスプには,ガラスファイバーの剥離や亀裂が生じるなど臨床応用前に解決しなければいけない問題点も提起されている.本研究では,ガラスファイバーの剥離や亀裂の抑制を目的として,円弧型EG 製クラスプにレジンコーティング(サーフィスコート®,以下SC)を施し,サーマルサイクリング試験と定変位疲労試験から,SC の有用性を評価した.方法:上顎左側第一小臼歯を支台歯とし,円弧型EG 製クラスプにSC を塗布したクラスプ(以下EG/SCクラスプ)を製作した.サーマルサイクリング試験では6ヶ月間の使用を想定して5400 サイクル負荷した.定変位疲労試験では1日5回義歯を着脱すると仮定し,一定変位(0.25 mm)を1800 サイクルまで繰り返し負荷した.試験後,クラスプ表面を光学顕微鏡観察した.結果:6ヶ月間の使用を想定したサーマルサイクリング試験と定変位疲労試験の結果,SCの脱落,亀裂が認められた.しかし,0.25 mm 変位させるのに必要な荷重の変化は認められなかった.結論:メーカー指定ではSC塗布後3ヶ月以内のリコールが必要である.よってEG/SCクラスプを3ヶ月後のリコール時に観察し,SCの脱落,亀裂が観察されたクラスプに関しては再塗布すれば十分臨床応用可能である.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
社団法人 日本補綴歯科学会 | 論文
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