マウスガードの装着が生理心理指標に及ぼす影響
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概要
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目的:マウスガード(以下MG)装着による不快感を,唾液α-アミラーゼ活性,心拍変動,アンケート調査(VAS法)を用いて,客観的,心理的に検討した.方法:被験者は,19~28歳の本学学生の男性15名とし,MGは,各被験者に口蓋を覆うタイプのMG(L)を作製した.計測は,Lの計測の後に,口蓋を歯頸部から4 mmの位置(M)に加工し,計測した.その後,口蓋を歯頸部の位置(S)に加工し,計測を行った.唾液α-アミラーゼ活性の計測は,MGの装着前,装着3分後,取り外した直後,取り外してから3分後に行った.心拍変動は,MG装着前90秒間と装着中60秒間を解析の対象とした.アンケート調査は,a. 呼吸のしやすさ,b. 乾燥感,c. 異物感,d. スポーツ時に使用するか,e. 舌触りの5項目について行った.結果:唾液α-アミラーゼ活性は,すべてのMGの装着により有意に増加した.ただし,増加量はLでのみ外した直後でもさらに増加した.心拍変動は,副交感神経系の指標であるHFについては,MGの装着による差はなかったが,交感神経系の指標であるLF/(HF + LF) × 100 については,すべてのMGの装着により増加した.また,Lで増加率が大きかった.アンケート調査の5項目は,MGの大きさで差が認められ,特に,不快感はLで大きかった.結論:客観的,心理的にみても,MGの装着による不快感が,MとSでは少ない可能性が示唆された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
社団法人 日本補綴歯科学会 | 論文
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