ジルコニアに対するセルフアドヒーシブレジンセメントの剪断接着強さ
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概要
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目的:部分安定型ジルコニア(以下ジルコニアと略す)に対して,4種類のセルフアドヒーシブレジンセメントの剪断接着強さについて評価した.方法:本研究には,以下のセルフアドヒーシブレジンセメント,G-Luting, Clearfi l SA luting, Rely X Unicem, Smartcemを用いた.被験試料には,ジルコニアを調製し,常温重合レジン内へ包埋後,被着面研磨に耐水研磨紙#600を使用した.接着体には,ステンレスロッドを用い,被験試料数は,各セルフアドヒーシブレジンセメントについて14個製作し,水中浸漬後ならびにサーマルサイクル試験後の剪断接着強さならびに破壊様相を評価した.結果:セルフアドヒーシブレジンセメントのジルコニアに対する剪断接着強さは,水中浸漬後で7.5~66.1 MPa,サーマルサイクル試験後では,0.8 ~ 71.0 MPa を示した.リン酸エステル系モノマー含有のセルフアドヒーシブレジンセメントでは,カルボン酸系モノマー含有と比較して,剪断接着強さが高かった.破壊様相では,全被験試料でステンレスロッド界面での破壊は生じておらず,ジルコニア表面とセメントとの界面破壊,あるいは,セメント内部での混合破壊であった.結論:ジルコニアに対して,リン酸エステル系モノマーを含有するセルフアドヒーシブレジンセメントは,剪断接着強さのうち加速劣化の影響を比較的受けにくいことが示唆された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
社団法人 日本補綴歯科学会 | 論文
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