脳静脈血栓症および硬膜下血腫を合併した特発性脳脊髄液減少症の1例
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概要
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脳静脈血栓症および硬膜下血腫を合併した脳脊髄液減少症の1例を経験した.症例は31歳男性.立位で生じる頭痛で発症し,以後一過性に複視,右眼瞼下垂,吐気,意識障害,右片麻痺を呈した.神経学的所見および画像所見から脳静脈血栓症を合併した特発性脳脊髄液減少症と診断した.抗凝固療法,補液,安静にて頭痛および脳静脈血栓症は消失したが,両側性の硬膜下血腫を併発した.頭蓋内圧亢進を認めたため硬膜外自己血パッチを行わず抗凝固療法継続下に再度保存的治療を行ったところ,硬膜下血腫は自然消退し,脳脊髄液減少症,脳静脈血栓症の再発もなく経過している.特発性脳脊髄液減少症に合併する脳静脈血栓症や硬膜下血腫の発症には,髄液減少に対する静脈系をはじめとした種々の代償反応が深く関与しており,治療法の選択にはこれらの潜在的な病態を考慮する必要がある.
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