新しい経腸栄養剤IMPACTとPEMVestを用いた急性期脳卒中患者栄養管理成績
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概要
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【背景および目的】経口摂取が困難な急性期脳卒中患者は経鼻経管経腸栄養(GITF: gastro-intestinal tube feeding)を受けることが多いが,栄養状態が悪化し感染症を起こし全身状態が悪化することがある.臨床転帰を改善する上で経腸栄養剤の役割は重要であるが,どういう経腸栄養剤が適しているか検討した報告は少ない.2種類の新しい経腸栄養剤,免疫賦活効果を期待するIMPACT®(I)と,蛋白エネルギー高摂取を期待するPEMVest®(P)とを用いて短期臨床転帰を前向きに評価した.【対象と方法】2007年1月から2007年8月までの期間,脳卒中発症48時間以内にGITFを受ける患者を無作為にI群とP群に振り分け,患者背景,入院時および第10病日のNIHSSとアルブミン値,入院中の下痢・嘔吐・肺炎の頻度,栄養剤の費用,転院までの入院日数を2群で評価した.【結果】調査期間に266例の急性期脳卒中患者が入院し39例がGITFを受けた.I群24例で,P群は15例.2群間で患者背景,入院時・第10日NIHSS,アルブミン値,在院日数,副作用と肺炎の頻度に統計学的有意差はなかった.I群の1例で下痢のため一時的に経腸栄養を中断した.両群とも入院時に比べ10日目アルブミン値は低下した(p<0.001).経腸栄養剤の費用はP群が有意に安価だった(p<0.001).【結論】両経腸栄養剤とも下痢や嘔吐が少なく計画通りに増量でき,重度の栄養状態悪化を軽減し,計画通りに転院できた.両剤とも従来の栄養剤と比較すると高価だが,PEMVest®が比較的安価だった.
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一般社団法人 日本脳卒中学会 | 論文
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