左総頸動脈閉塞をきたしたSLEに続発した抗リン脂質抗体症候群の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は34歳,女性.3年前から微熱,光線過敏,体重減少あり.3日前から進行する右片麻痺で入院.入院時,頬部紅斑,微熱,血小板減少があり,頭部MRI拡散強調画像で左前頭,頭頂葉に多発性脳梗塞がみられた.左総頸動脈起始部閉塞があり,アスピリン,エダラボン,ヘパリンで治療した.翌日には譫妄をきたし,ミダゾラムで鎮静した.MRIで左前頭~頭頂葉に広範囲に梗塞がみられた.膠原病による血管炎や抗リン脂質抗体症候群(APS)を疑い,メチルプレドニゾロンによるパルス療法を追加した.ミダゾラム終了後,譫妄はなく,超皮質性運動失語と中等度~高度の右不全片麻痺がみられた.その後,抗核抗体,ds-DNA抗体,ループスアンチコアグラントが12週以降も含め陽性で脳梗塞と深部静脈血栓もあり,SLEに伴う続発性APSと診断し,プレドニゾロン,アスピリン,ワーファリンで治療した.SLEやAPSの抗体の迅速測定はできず,急速に症状が進行する若年女性の脳梗塞は頬部紅斑,光線過敏の既往,血小板減少症などから,積極的にSLEやAPSを疑い治療を開始する必要があると考えられた.
- 一般社団法人 日本脳卒中学会の論文
一般社団法人 日本脳卒中学会 | 論文
- Two cases with aphasia in the left putaminal damage and one case with visuospatial neglect in the right putaminal damage
- Alterations of plasma von Willebrand factor activity and the influence of anti-platelet drugs in acute cerebral infarction
- Carotid endarterectomy plaques correlation of clinical events and morphology.
- Stenting for stenosis of major cerebrovascular arteries.
- Cerebral infarction following antihypertensive therapy.