卵円孔開存を合併し脳梗塞で発症した家族性プラスミノーゲン異常症の親子例
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概要
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先天性プラスミノーゲン異常症は持続的な線溶活性の低下を特徴とする病態であり,本邦で比較的頻度が高く時に血栓症を合併することが知られているが,脳血管障害の報告は少ない.我々は脳梗塞で発症したプラスミノーゲン異常症の親子例を経験した.症例1は49歳男性.右同名性半盲で発症,頭部MRI拡散強調画像で左後頭葉内側と側頭葉底面に高信号域が出現しMRAでは左後大脳動脈の狭窄を認めた.プラスミノーゲン活性61%(71∼130%)と低下,経食道心エコー(TEE)では卵円孔開存を認めた.症例2は症例1の長男.発症時期は不明だが視野障害が以前からあり頭部MRIで左後頭葉内側の陳旧性梗塞を認めた.プラスミノーゲン活性57%と低下しておりTEEで卵円孔開存の所見を認めた.いずれの症例も他のリスクがなくプラスミノーゲン活性異常と卵円孔開存による奇異性塞栓が脳梗塞の成因と考えられた.
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一般社団法人 日本脳卒中学会 | 論文
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